求人票の見方
~ハローワーク求人編~

2021/06/30

転職ノウハウ お役立ち情報

企業に応募をする際の目安として一番大事になってくるのが「求人票」です。
求人票に募集要項が書かれており、求人票が無ければ、企業概要や業務内容、待遇面がわからず、応募をすることが困難になります。
給与・休日・勤務時間…など、自分が希望とする内容の他に、企業から見た選考基準など、色々なヒントが隠されているものでもある求人票。チェックポイントが色々あることをご存じですか?
求人票の中でも、企業側の記入を必須とする項目が多数あるハローワークの求人票について、詳細を見て行きましょう。

【目次】

  1. 求人事業所
  2. 仕事内容
  3. 賃金・手当
  4. 労働時間
  5. その他の労働条件等
  6. 会社の情報
  7. 選考等
  8. まとめ

ハローワーク求人票の項目

ハローワークの求人票は大きく7項目から構成されています。

  1. 求人事業所
  2. 仕事内容
  3. 賃金・手当
  4. 労働時間
  5. その他の労働条件等
  6. 会社の情報
  7. 選考等

項目について何が書いてあるのか、サンプル求人を例に、一つずつ確認してみましょう。

1. 求人事業所

求人企業の企業名・本社所在地・ホームページが記載されています。
ホームページが記載されている場合は必ず企業HPも確認しましょう。企業HPと照らし合わせながら求人票を確認すると、よりわかりやすくなります。

2. 仕事内容

仕事内容の項目には、職種・仕事内容・雇用形態応募に必要な条件など、重要項目が記載されています。

まず注意して見ておきたいのが、「雇用形態」「派遣・請負等」「雇用期間」です。

サンプル求人の企業は、労働者派遣事業の許可番号を保有しており、派遣事業を行っている可能性があります。
しかし、この求人の募集における雇用形態は「正社員」となり、就業形態は「派遣・請負ではない」の記載があるため、「派遣事業を行っている企業だが、派遣社員ではなく、正社員としての勤務」ということがわかります。
応募しようとしている求人がどの雇用形態で、派遣や請負の就業形態かどうかというチェックは重要ポイントです。項目欄の詳細まできちんと目を通す必要があります。

また、正社員以外の雇用形態の場合は、雇用期間欄に「雇用期間の定めあり」ということで、雇用される期間と契約更新の条件(原則更新、条件付きで更新あり等)の記載があります。長期的に勤務することを考えている場合は、必ず確認しましょう。

就業場所については、各拠点の事業所や支店など、実際の勤務地が求人企業(本社)と異なる場合があります。
最近は受動喫煙防止条例などにより、勤務場所の敷地全面が禁煙になっているケースがあり、就業場所欄には受動喫煙対策有無の記載項目があります。喫煙者の方は確認するようにしてください。
他、マイカー通勤の可否(駐車場の有無等)や転勤の可能性なども記載されています。
複数事業所がある企業は、転勤の可能性「あり」と記載されていることがありますので、転勤や異動ができない方は見落とさないように注意しましょう。転勤の頻度等は、応募時に確認するのが賢明です。

二つ目に大きく注意したい点で、応募条件の項目である「年齢」「学歴」「必要な経験等」「必要なPCスキル」「必要な免許・資格」があります。

年齢に関して制限があるものは、ほぼ絶対条件と捉えていいでしょう。
サンプル求人では「年齢制限あり(35歳以下)年齢制限該当事由 キャリア形成」との記載があります。これは、「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を募集・採用する場合」の制限であることから、基本的に35歳以下の方しか面接に進むことができません。

ハローワーク求人では年齢制限を設ける際に必ず理由が必要となります。本来、年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向け、法律において年齢制限を設けての募集は禁止されていますが、やむを得ない理由に限り年齢制限を設けることができる仕組みです。

年齢制限該当事由について

その他応募条件について、必ず満たさなければならない条件については「必須」の記載があります。
例えば、資格を保有していないと法律として勤務することができないものなどが該当します。
自分が応募条件を満たしているか、満たしていなくても応募ができる求人なのか、確認するようにしましょう。
「あれば尚可」「あれば望ましい」等の記載の場合、応募者数によっては必須条件として扱っている可能性があります。
応募条件が不明瞭な場合は、ハローワーク窓口にて応募する際に問い合わせを行うと、正しい情報が判明します。最新の情報を得られるように、十分注意を行いましょう。

三つ目に大きく注意したいのが「試用期間」についてです。

試用期間とは…
本採用を行う前に、雇用者が被雇用者(労働者)の業務遂行能力や適性などを見定める期間のこと。問題がなければそのまま本採用となる。試用期間の長さなどに法的な規制は無い。
しかし、試用期間中も労働契約は成立しているため、試用期間の途中または試用期間満了時に労働契約を解消することは解雇に該当し、客観的な合理的理由、かつ、妥当といえるものでなければ解雇することはできない。

正社員雇用の場合、試用期間が設けられていても、解雇されることは滅多にありませんが、本採用後との労働条件が異なるケースが多くあります。(試用期間は給与が下がる等)
試用期間中に労働条件が異なる記載がある求人については、どのような条件・待遇での勤務になるのか、事前に確認しておきましょう。

3. 賃金・手当

求人への応募を考えた時、一番に注目するのが「賃金・手当」の項目になるかと思います。

月給は月の総支給給与額および、基本給・毎月支払われる各種一律手当・固定残業代の内訳が記載されています。

固定残業代は、みなし残業とも呼ばれ、企業が毎月一定の残業時間を想定し、その想定残業時間分の残業代を定額手当として支払うものです。
残念なことに、固定残業以上の残業をしても、超過分の残業代を支払わない悪質な企業が存在します。
残業何時間分を想定した固定残業代なのか、みなし残業時間を超過した場合、超過分の残業代が支払われるのか確認するようにしましょう。

通勤手当は、企業により支給規定が異なります。自宅から通勤する場合、支給される通勤手当内で定期代などが賄えるか確認しましょう。

賃金締切日/支払日は見落とされがちですが、締切日から支給日まで1カ月開く企業があります。締切日によっては、入社したその月に給与が支払われないということもありますので、要確認すべき事項です。

昇給・賞与について、特に重要なこととしては、賞与の支給です。

ハローワーク求人には、前年度の賞与支給実績が記載されているため、創業したばかりの企業や、新しく賞与支給制度を設けた企業は前年度の実績が存在しないことから、「前年度実績無し」となっていることがあります。その場合は賞与支給見込みがあるかどうかの確認をしましょう。

また、賞与支給額は、毎月支払われる基本給をベースに、「年合計○カ月分」という記載が多いということを覚えておくと年収ベースでの計算がしやすくなります。

賞与は必ず支給しないといけないものでは無いため、支給の無い会社もありますし、会社業績による連動支給や個人業績評価による支給など、企業により大きく異なります。
賞与の有無は働くモチベーションとして影響してくる内容です。不明点があった場合は必ず確認するようにしましょう。

4. 労働時間

労働時間も求人票の中では重要なウエイトを占める事項です。
項目ごとに詳細を見て行きたいと思います。

■就業時間

勤務時間の記載がされています。固定勤務時間であったり、シフト制の勤務時間であったりするのは、職種や企業により異なる部分です。
特にシフト制での勤務時間の場合、「変形時間労働制」という規定が組まれていることがあります。

※変形時間労働制について※
労働時間を月単位・年単位で調整し、繁忙期等により勤務時間が増えても、時間外労働(残業)としての取扱いを不要とする労働時間制度のこと。ただし、企業は法律で規定された労働時間を超過した分について、従業員へ残業代として支払う必要がある。

1カ月単位/1年単位の変形労働時間制について(厚生労働省)

■時間外労働時間

労働時間の項目の中で最も確認すべき重要ポイントが時間外労働時間(残業)です。
月平均での時間外労働時間が記載されていますが、全ての職種を含めた事業会社全体の平均残業時間が記載されているパターンが多く見られます。
応募時点または面接において、自分が働く勤務先や職種の残業時間を確認すると良いでしょう

また、時間外労働については「36(さぶろく)協定」という労働基準法36条に基づく労使協定が存在し、企業は36協定を締結し、所轄の労働基準監督署へ届出なければ、従業員に法定労働時間外で労働(残業)させることができません。協定を結ばず、法定労働時間を超えて労働させると、労働基準法違反になります。
ハローワーク求人票には36協定における条項の記載欄がありますので、そちらも必ずチェックしましょう。

※36協定とは※
企業が法定労働時間(1日8時間・1週間で40時間)を超えた労働(時間外労働)を命じる場合に必要な労使協定。働き方改革関連法案の制定により、残業時間や残業回数に明確な上限が設けられた。
従業員に絶対に法定労働時間を超える労働をさせない、法定休日に労働をさせないということであれば、企業は36協定を結ぶ必要は無い。

求人票に常軌を逸する時間外労働時間を記載する企業は皆無ですが、実情として、過労死ライン(概ね残業80時間以上)に触れるような労働を強いる企業がゼロでは無いことを認識しておきましょう。
時間外労働時間については、自分の身を守るためにも、知識を付けておくことが大切です。

■休憩時間

労働時間に対する休憩時間が記載されています。
休憩時間についても、労働基準法に定められており、労働時間が6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩を与えなければならない、と定めています。(労働基準法第34条)

■年間休日数/休日等

<年間休日数>
年間休日とは、企業が定める1年間の休日のことです。
労働基準法で定められた「※法定休日」のほかに、企業が定める「法定外休日 (会社の創立記念日やゴールデンウィークなど)」を含んだ、1年間の合計休日数のことを言います。
年間休日の起算日(数え始める日)については、年初の1月1日からでも、4月1日など会社の年度初めからでもよく、企業による判断で決められます。

※法定休日…労働基準法第35条により定められており、週1回の休日または4週間で4日の休日を取得することが義務付けられています。

<休日等>
求人企業における法定休日と法定外休日に沿った、休日についての記載があります。固定曜日の休みなのか、シフト制なのかで記載内容が異なります。また、有給休暇の付与日数の記載もあります。休日は企業や働く部署により、大きく異なる内容ですので注意しましょう。

添付画像の求人例では
・年間休日数 122日
・土 日 祝日 その他 週休二日制 毎週
・年末年始休暇(12/31~1/3)
・リフレッシュ休暇(年2回。最大9連休取得可。有給消化)
・6ヶ月経過後の年次有給休暇日数 10日
上記記載になっています。
『土日の週休二日制、その他として祝日、指定平日、年末年始(12/31~1/3)が休みであり、入社6か月後に有給休暇が10日付与され、有給消化でのリフレッシュ休暇が取得できる。』ということになります。

※「週休二日制」と「完全週休二日制」の違い※
「週休二日制」の定義として、1カ月の間に2日休みの週が最低1回あり、それ以外の週は1日以上休みがあることとされています。
例えば、1週目だけは2日休みがあって、残りの3週は休みが1日だとしても、「週休2日制」ということになります。
「完全週休二日制」は、年間を通じて必ず毎週2日休みがあるということになります。

5. その他の労働条件等

こちらの項目欄では主に、加入できる社会保険、退職金制度、定年、社宅の有無、利用できる託児所の有無についての記載があります。
応募先の企業で長く勤めたいと考えている場合には、特に年金や退職金制度、利用できる託児所の有無が重要なポイントとなってきます。家庭環境や収入状況を鑑みて、自分にとって必要な制度が設けられているかどうか確認するようにしましょう。

6. 会社の情報

応募先企業の企業情報(従業員数等)や事業内容、会社の特長、就業規則についてが記載されています。
こちらの項目欄に育児休業・介護休業・看護休暇の取得実績が記載されていますので、これから出産育児を考えられている方や介護の可能性がある方などはチェックしておくと良いでしょう。
また重要な点として、「求人に関する特記事項」の記載があり、求人票7項目についての補足が記入されています。福利厚生の補足や応募方法、業務内容の詳細など、大事なことが記載されている可能性が高い欄なので、必ず確認するようにします。

7. 選考等

選考や応募方法についての詳細が記載されている欄になります。
応募書類の郵送先や面接の回数、採用担当者の情報が記入されています。誤った応募を行うと、注意力が足りない人と認識されてしまい、その時点で見送りになることもありますので、何を揃え、どこに応募するのか、しっかり確認しましょう。

また、ここで重要なポイントは「採用人数」と「募集理由」です。
何人採用予定なのか、その募集理由ななぜなのか?あまり気にされていない方が多いのではないでしょうか?

■採用人数が多い

採用人数が多い理由は大きく2パターンに分かれます。新規事業・部署立ち上げにより、多数人員が必要な場合と、既存の事業・部署でありながら何らかの原因による大量離職により、多数の人員の穴埋めが必要な場合です。
前者であれば就業の大きなチャンスと捉えられますが、後者であればなぜ離職者が多く出てしまったのかという背景の確認が必要です。

長く勤務するためにも、応募時や面接時に募集背景を企業に聞いてみるというのも一つの手段です。

■欠員募集か増員募集か

募集理由が欠員か増員かによっても、働く環境を読み取ることができます。

欠員募集の場合、既に戦力として働いていた社員が退職するにあたっての募集であることが多く、その社員と同等またはそれ以上のスキルを持った人材を募集している可能性があります。また、急募であることが多いため、仕事をしながら転職活動をしている方は、入社可能時期を確認しておきましょう。

増員募集の場合、事業好調などで、更に人員を強化したい際に行うケースが多く見られます。
長期的に人材を育てることを目的に募集を行う場合もあり、未経験や経験の浅い方の応募が可能なこともありますので、新しい仕事にチャレンジしたい方は増員募集の求人をチェックしておくと良いでしょう。

まとめ

求人票は給与や勤務時間などの表面的な待遇だけでなく、どのような会社なのか?まで読み取ることができる貴重な情報源です。
特に求人企業がハローワークへ掲載を行う場合は、誇張表現がしづらい、正直な申告が必要になりますので、リアルな募集内容を確認することができます。
労働基準法の大事なポイントを抑えたり、記載されている詳細事項をくまなくチェックすることで、その求人が、その企業が自分に合っていそうな会社か?長く勤務できる会社か?ということが推察できます。
適当な確認をしないことはもちろんのこと、書いてあることをそのまま鵜呑みにせず、求人票を読み取る力をつけて、少しでも良い企業の求人を発掘してください!

また、パセリスタッフでは、ご案内求人の詳細を隅から隅まで丁寧にご説明いたします。
自分が応募できる求人が知りたい方は、ぜひご相談ください!

・コラムを書いた人
株式会社プランドゥ 西村 美保
パセリスタッフで転職支援を行い早数年。職業訓練校の就業支援サポートを行うなど、パセリスタッフ登録者に留まらず、幅広い求職者のサポートを行っている。