過去に負った心の傷の癒し方

2019/12/26

お役立ち情報

生まれてから今日まで、一度も心に傷を負ったことのない人は、まずいないと思います。つらいことや苦しいことを経験して乗り越えてきたという人も多いかもしれませんね。でも、乗り越えたと思っていたのに、ふとした瞬間に思い出し、心の古傷が痛むことってありませんか?
今回はそんな過去の心の傷をどうやって癒していけば良いのか、一緒に考えていきましょう。

なぜ人は傷つくの?

そもそも、なぜ人は傷つけられたと感じるのでしょうか?

それは、自尊心があるからです。他者から傷つけられた時、私たちの自尊心は弱まります。
そして、自信を失い、情緒不安定になります。そうして、自分はダメなやつだ、誰からも認められることなんてない、と思いつめていくと、人は自尊心を失います。傷ついた時に悲しくなったり、怒りを覚えたりするのは、人から良くない評価を下されることを恐れる気持ちの裏返しでもあります。

また、元々繊細だったり、傷つきやすい人は、自尊心が不安定である可能性が高いです。
そのため、他の人にとっては取るに足らないようなことでも、気分を害しやすくなります。

反対に、自分に自信がある人は強い自尊心の持ち主で、簡単には傷つけられたとは感じません。他人からどう見られているかも必要以上に気にしませんし、悪口を言われても引きずることは少ないでしょう。誰しも傷ついた経験があるとは思いますが、自尊心の持ちようによって傷つく度合いは様々なのです。

たとえ「自分に自信を持って!」と言われても、なかなか簡単には自信を持てませんし、すでに負ってしまった心の傷はどうすることもできないですよね。そこで、過去の心の傷の癒し方について考えていきましょう。

心の傷を癒すためには?

心の傷となった出来事を思い出してしまうのは、非常に辛いことです。また、それによって、心のエネルギーが失われ、仕事やプライベートで生き生きと過ごすことが難しくなってしまうこともあります。さらには、嫌なことを思い浮かべることによって、実際に体の調子がおかしくなってしまう可能性もあります。

嫌なことを思い浮かべた時、胃が痛くなる人が少なからずいますが、その状態がずっと続くと、「心身症」になってしまうこともあります。心身症は、ストレスがきっかけで起こる様々な内科的疾患のことを言い、過敏性大腸炎、偏頭痛、気管支ぜんそく、高血圧症、糖尿病、円形脱毛症、メニエール病など多くのものがあります。

・一時的にでも考えないようにする

このような事態を防ぐためにも、意識的に、過去に心の傷を受けた事柄について考えないようにすることが大切です。

ただ、考えないようにすればするほど、そのことを考えてしまうのも、また人の心理でもあります。ですので、「思い出してはいけない」と無理やり自分を抑えこむこともやめましょう。思い出しても仕方ない」くらいに思っていた方が、気持ちが楽になります。

もし、過去の出来事を繰り返し思い出して、つらくなったり悲しくなったりした時は、気をそらす工夫をしてみましょう。例えば、「他の楽しいことを考える」「目の前の仕事に没頭する」「部屋の整理などの単純作業をする」「映画を観る」「本を読む」「運動をする」などが有効です。自分の好きなことに集中するのも良いですね。

そうしていても、考えがよぎって、完全にストップさせることは難しいかもしれませんが、とにかく、そのことだけに囚われて、ふさぎこんでしまうことは出来るだけ避けましょう。

・人に話す

「考えない」ということが、「嫌なことを忘れた」ということにはなりません。また、解決したり、乗り越えたことにもなりません。米心理科学会誌「Perspectives of Psychological Science(心理科学の視点)」に掲載された最新の研究結果によれば、時間が人を癒す効果はないことが確認されています。

そのため、ただ漫然と時を重ねていても心の傷は癒されることはないかもしれません。「忘れよう」「思い出さないようにしよう」と思っていても、過去の嫌な出来事が思いがけず頭に浮かんでくることもあります。その時の情景がありありと思い浮かんで、涙が出たり、無気力になったりすることもあるでしょう。そんな一人ではどうしようもない時に有効なのが、ずばり「人」の力です。

信頼出来る友人や家族、またカウンセラーなどに、そのつらさを話してみましょう。話すだけでも少しスッキリしますし、分かってくれる人がいるという安心感を得ることもできます。また、話をしていく中で、解決出来る問題があると自身で気付くことが出来たり、対処法が見つかったりする場合もあります。

人に話すことは勇気がいりますし、最初は話していてつらいと感じるかもしれませんが、自分の気持ちを打ち明けることで、心の傷もきっと少しずつ癒えてくるはずです。 カウンセラーは、病院の心療内科や精神科だけでなく、都道府県・市区の役所、保健所、精神保健福祉センターなどの公共機関、大学や民間の相談所などにも在籍していますので、家族、友人など身近な人に話すことが難しい場合は、専門家に頼りましょう。

・クリエイティブに活かす

音楽や絵画、作詩、小説などの創作活動に、自分の気持ちをぶつけてみるのも1つの手です。形式は何でも構いませんし、技術がなくても大丈夫です。自分の気持ちがスッキリするようなものを探してみましょう。

「そんなものないよ」という方は、思い出した時にノートにつらい・悲しいと思う事柄や今自分が感じていることを書き綴ることも有効です。自分をありのままに感じ、それを書き出すことで、気持ちの整理をすることが出来ます。

心の傷が深刻な場合はPTSDの場合も…

過去の心の傷になるような出来事が深刻である場合には、傷が癒えないこともあります。心の傷を長い間背負っていて、日常生活にも支障が出ているような場合は、できるだけ早くカウンセラーに相談することをおすすめします。

特に、災害や事故、暴力や虐待など生死に関わる強烈な出来事を経験した場合には、それがトラウマとなり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)にかかることもあります。

PTSDは、不安障害の一種で、発症すると、怒りっぽくなったり、過剰な警戒心が生まれたり、睡眠障害が起こることもあります。日常的にフラッシュバック(頭のなかで何度もトラウマがよみがえる)などが起こり、つらい症状に悩まされるため、離婚やアルコール依存、薬物依存、最悪の場合には自殺につながることもあります。

PTSDである場合は、今回ご紹介した方法もマイナスに働いてしまうことがありますので、PTSDが疑われる場合は、専門医を受診したり、カウンセラーに相談したりして、適切な治療を受けるようにしてください。

なかなか癒すのが難しいかもしれない心の古傷ですが、ぜひ自分に合った方法を見つけて実践してみてくださいね。

もし、過去に、就職や転職の際、選考でうまくいかず、自信を失っているという方はぜひパセリスタッフにご相談ください。行動しないことには何も始まりません。無料登録後は、専任コーディネーターによるマンツーマンのサポートもありますので、きっと不安も解消されるはずですよ。

<参考書籍>  
決定版 面白いほどよくわかる!心理学 渋谷昌三 西東社 2017 子どもと若者のための認知行動療法ワークブック ポール・スタラード 下山晴彦(翻訳)金剛出版 2006