好感度は第一印象で決まる!?ラべリングとは?

2020/04/28

お役立ち情報

就職したり、転職したりすると初対面の人と会う機会が多くなりますよね。
そんな時、あなたは相手に良い印象を与えられているでしょうか?
もしかしたら、良い印象を与えられていると思っているのは、あなただけかもしれませんよ。 今回は、人の好き嫌いに大きく影響するラベリングについてご紹介します。

第一印象が物を言う?

私たちは、初対面の人と出会った時、相手に対して何らかの印象を抱きますよね。例えば、「優しそう」「厳しそう」「真面目そう」など…。無意識のうちに、相手にレッテルを貼っているのです。心理学では、これを「ラベリング」と言います。

人は、最初にラベリングをして、イメージを定着させると、その「初めに定着させたイメージ」を、その人の全体イメージとして捉えます。これを初頭効果と言います。つまり、第一印象は好き嫌いに大きな影響を与えるのです。

例えば、就職・転職の面接や仕事の営業で初対面の人と会う時に、だらしない格好で会おうとする人は少ないと思います。第一印象を良くするために身だしなみを整えて、会おうとしますよね。これは理にかなった行動だと言えます。

心理学者であるソロモン・アッシュは、他者の印象がどのように形成されるかを研究しました。その中で、初頭効果について、以下のような実験を行っています。

1.架空の人物の特徴について、「知的・勤勉・衝動的・批判力がある・強情・嫉妬深い」と読みあげる

2.今度は、この特徴を逆から読みあげる(嫉妬深い・強情…)

1と2それぞれに被験者を分け、どう印象が変わるのかを調べたところ、1の被験者は、「欠点は多少あるけれど、能力には恵まれている」という印象を持ったのに対し、2の被験者は、「能力はありそうだけれど、欠点が目立つせいで、本来の能力が発揮できていなさそう」という印象を持ったそうです。この実験結果からも、いかに、第一印象が大切なのかが分かりますね。

この初頭効果は、仕事や恋愛など日常の様々な場面で活用できます。

会社であれば、人間関係が定着してしまう前の初期の段階(就職や転職をして間もないうち)に、あなたがどう思われたいかによって言動を変えていけば、周りの人たちの印象もあなたが思うように変わってくるはずです。

まずは、社内で自分がどのような役割を演じたいのかをイメージして、それに合わせて自分をアピールしていくと良いでしょう。

情報提示をする場合は、最初より最後の方が効果的?

先ほど、はじめに定着させたイメージを、その人の全体イメージとして捉えるのが「初頭効果」とご説明しましたが、その反対の意味を持つ場合もあります。

 例えば、営業で商品を売りたい場合、話の最後にアピールポイントを持ってくることで、人は買う気になりやすいことが知られています。人は、前半よりも後半の情報に関心を持つ傾向があります。これを「親近効果」と言います。

ラベリングによって人が変わってしまう?

また、ラベリングには、ラベリングされた本人を他人が貼ったレッテルと同じように変えてしまう力もあります。この心理効果のことを、ラベリング効果と言います。

例えば、Aさんに対して、周りが「だらしない人」とレッテルづけをしたとします。そうすると、そのあとで、Aさんがどんなにきちんとした行動を取ったとしても「だらしない」というレッテルは容易には剥がれません。

実際にはきちんとしている人でも・・・です。すると、レッテルを貼られたAさん自身も次第に「自分はだらしないんだ」と思うようになります。そして、その結果、本当にだらしない行動をとるようになるのです。

社会学者のハワード・ベッカーが、「逸脱行動は、それを行った人の性格によるものではなく、周囲からのラベリングによって生み出される」という「ラベリング理論」を提唱し、そこからラベリング効果という言葉が生まれました。

能力に関する評価は特に変わりづらい?

いったん、ラベリングによって悪い評価がつくと、それを覆すのは大変です。

ラベリングの中でも、能力に対する評価は特に変わりづらいと言われています。

例えば、上司などにいったん「こいつはダメなやつだ」と思われてしまうと、たとえよい業績を上げたとしても「まぐれだろう」「運がよかっただけだろう」などと捉えられてしまいます。失敗した時には当然「やっぱりこいつはダメなやつだな」と思われてしまうのです。

相手に一度悪い評価をつけたあとに、その評価を変えるということは、「人を見る目がなかった」自分を認めることになるので、人は簡単には一度つけた評価を覆さないのです。 

同期で入社したのに出世のスピードが違うのは、もしかしたら自分の能力以外にもこういった他者からの評価が深く関わっているのかもしれません。

悪い評価がついても、もしかしたら取り戻せるかも?

それでは、いったん悪いイメージがついたら、もうあきらめるしかないのか?というとそうでもありません。イメージを覆すのに有効なのは、よくないレッテルをつけた人(たち)に対して好意を持つこと。

自分に悪い印象を持った人のことを好きになるなんて・・・と思うかもしれませんが、そこはぐっとこらえて、相手の何か良いところを探して好きになる努力をしてみましょう。

人間は、本来人から高く評価されたいという欲求を持っています。

好意を持つということは、その人物を高く評価することにも通じるので、こちらが好意を示すことによって、相手もこちらに好意を持ちやすくなるのです。

これを「好意の返報性」と言います。ぜひこの法則を活用して、悪いイメージを覆しましょう!

安易にラベリングするのはやめよう

今度は立場を変えて考えてみましょう。

皆さんは、会社や家庭で、無意識にマイナスのラベリングをしてはいませんか?例えば、会社だったら、やらなくてはならない作業をし忘れた人に対して「仕事が出来ない人」と決めつけたり、子どものテストの点数が悪かった時には、「ウチの子は出来が悪い」と思い込んだり…。

相手の良くない面だけを見て、その人をダメな人だと決めつけてしまうのはやめましょう。周りがマイナス評価を下すことによって、本人が自信をなくしてしまい、それまで出来ていたことさえも出来なくなるという事態に陥る可能性があるからです。

マイナス面だけを見てラベリングするのではなく、プラス面もしっかり見て、相手のよい部分を認められるようになれると良いですね。

今回ご紹介した「ラベリング効果」、ぜひ意識して日常を過ごしてみてくださいね。

初対面の人と会う場面では、くれぐれも抜かりなく。

<参考書籍>
誰でも無意識にやっている!?ラべリングって?
図解 すぐに使える!心理学 渋谷昌三 PHP研究所 2013
決定版 面白いほどよくわかる!心理学 渋谷昌三 西東社 2017
https://biz-shinri.com/dictionary/labeling

 ライター紹介:かたこりこ
大学では心理学を専攻。卒業後は、ラジオ番組の原稿やフリーペーパーの執筆、教科書系出版社勤務などを経て現在に至る。趣味は読書、映画・お笑い鑑賞。東京都出身。冬生まれだけど、寒いのは苦手です。